第32章 魔女の棲むお菓子の家〜プロローグ〜
ーー貴方side
お昼過ぎ午後の部が始まった頃、私達の壁に藤野さんがケーキを持ってやってきた。
藤野「いたいた、君が手伝ってくれたケーキだよ」
そう言ってテーブルに置いたのは綺麗に飾られたウッドチョコケーキ。どうやらコナン君が一部手伝ったらしいがプロの手によって完全に見えなくなっていた。
園子「飾りを乗っけちゃえば、ガキンチョの失敗も隠せるわね」
置かれたケーキを一口食べながら言った。私もケーキをお皿に取り食べてみる。
雪「おいひい……モグモグ」
蘭「私も食べようかな」
雪「凄く美味しいよ、私はもう一つ……」
蘭ちゃん達も私に釣られたのかケーキを取り、私ももう一つた食べようとした時だった。
森本「きゃあぁぁぁぁぁあ‼︎」
コナン・桜井「「!?」」
辺りに響いたのは森本さんの悲鳴。何事かと思っているとコナン君と桜井さんは声のした方へと走っていく。
蘭「私達も行こう!」
園子「そ、そうね……ほら雪も食べてないで!」
雪「むぐっ……⁉︎」
食べていた途中の私の腕を園子ちゃんが引っ張り強引に連れて行かれた。コナン君達の元へ行くとお店の中で、顔を手で覆って泣いている森本さんと俯く前田さんがいた。そして、その足元には倒れて動かない女性がいた。
コナン「蘭姉ちゃん、警察に電話して」
蘭「う、うん分かった!」
コナン君の指示で電話をしに行った蘭ちゃん。私は溜息を吐きながら席へと戻り始める。
桜井「雪どうした?」
雪「……ケーキ」
桜井「ケーキ?」
雪「まだ食べてないのあったのにー‼︎」
桜井「ゆ、雪どこに……⁉︎」
桜井さんの呼び掛けも無視して走り出して席に戻った私は藤野さんが持ってきたウッドチョコを食べながら警察を待つ事にした。