第3章 放課後と喫茶店
ーーー貴方side
桜井(諸)「もう終わる頃だと思ってね、迎えに来たんだ」
雪「ありがとうございます。でも私、1人でも大丈夫ですよ?」
君が心配だからと答えた桜井さんは私から視線を外し、松田さんと萩原さんの方を見る。
松田「桜井……お前、雪と一緒に住んでんの?」
桜井(諸)「? あぁ、そうだよ。連絡あっただろ?」
松田・萩原「「………」」
桜井さんを無言で睨む2人。そして伝えられてない事に気づいた桜井さんは安さんを見る。
安室「アイツらに言うと絶対に反対するだろ?」
桜井(諸)「ちゃんと説明しないと2人は納得しないぞ?」
松田・萩原「当たり前だ! /そうだよ!」
安室「はぁ……分かった、話すよ」
苦笑いしか出来ない私に桜井さんが、僕達は帰ろうと声を掛けてくれた。
雪「良いんですか?」
桜井(諸)「あぁ、大丈夫だよ」
ゼロが2人に説明するからと小さい声で言い、私は帰り支度をする。帰る直前、松田さんと萩原さんにまた会おうと笑顔で言われ、私も勿論と返事を返した。
すっかり暗くなった帰り道、私はずっと気になっていた事を質問した。
雪「あの……どうして私と一緒に住もうって思ったんですか?」
どう言う事?と桜井さんは不思議な顔をする。
雪「お隣でも良かったのに一緒に住むってなって……」
桜井(諸)「俺と住むのは嫌だった?」
雪「嫌じゃないです! 一緒にいて楽しいですし! 」
1人でいるのは寂しかったから、寧ろ嬉しい。
諸伏さんの自決を止め、組織の存在を知った私に降谷さんが『君を護る為に一緒に住んでくれ』と提案された。ただ、降谷さんはまだ組織に所属しているので諸伏さんと住む事になると。
私は少し悩んでから決めたけど……
雪「ただ……どうして私と住む事をすぐに受け入れたのかなって」
普通もう少し悩むのでは?と私は思ったが。
桜井(諸)「あぁ、それは……今は言えないかな」
今度教えるよと少し照れた顔で言い、私の手を振って家へと引っ張っていった。