第27章 銀翼の奇術師〜予告状の意味、そして〜
ーーコナンside
俺は出発を始めた飛行機の中でキッドについて考えていた。本当にあの劇場で盗みをしようとしていたのかと。
元太「俺の席は4k、キッドのkだな」
光彦「じゃあ僕は4jですから、ジャンボのjですね」
座席の番号について話しだした元太達、そこで俺はキッドの予告状の本当の意味が分かった。
コナン「キッドの出した予告状の4つのアルファベットは、フォネティックコードだったんだ」
フォネティックコードとは、無線電話の聞き間違いを防ぐための通話コード。そしてこのコードは航空機の無線でも使われている。
コナン「つまり、この機内の事を指しているんだ」
灰原「それなら帰りでも……あ、トランプね」
そう、キッドの予告状に描かれていたトランプ。それはスペードの2がv字に切れている、これは2で割り切れないと言う事を表していた。
コナン「東京から函館に出発する便は865の奇数、到着は偶数と決まってるんだ」
キッドは一度失敗したと思わせ本当はこの機内で指輪を盗もうとしていると灰原に話した。
雪「じゃあ、この機内にキッドがいるんだね」
コナン「え、雪……姉ちゃん⁉︎」
いつから聞いていたのか雪が俺の前の席から振り返っこちらを覗いていた。
雪「守ろうね、指輪」
コナン「わーってるよ」
そうして俺達はそれぞれの席で時間を潰し始めた。
ーー貴方side
飛行機が飛び立ち少し経った頃、樹里さんが少し体調を悪そうにしている姿が見えた。通路を挟んで反対側にいた田島さんがビタミン剤を渡し飲んだ後、彼女はアナウンスで何かに気付きハッとしていた。
歩美「耳がなんか変……」
元太「俺もだ」
光彦「気圧が変わったせいですよ」
唾を飲み込めば直ると言ったが2人は直らなかったようで、なら鼻を摘んでふんっとすれば直ると実際にやっていた。
元太「お、直った! なんか出た」
歩美「……コナン君、前向いてて」
コナン「お、おう」
そう言われて見るのをやめたコナン君、鼻を摘む姿を見せたくなかった歩美ちゃんはきっとコナン君の事を異性として見ているのだろう。
雪(まあ、新一の時もモテてたしね)
腕を組んで1人頷く私であった。そんな時間が流れていた頃、小五郎さんは樹里さんにサインをお願いしていた。
小五郎「あ、ペンがない」
酒井「樹里さん、これどうぞ」