第26章 銀翼の奇術師〜怪盗キッド〜
ーーコナンside
屋上から落下していく俺にキッドがハンググライダーで助けにきた。だがこれは作戦、近付いて来た奴に時計型麻酔銃を発射したがギリギリで交わされてしまった。
キッド「おいおい……」
落下していた俺は会場に入ってから背負っているリュックに手を掛け起動させる。それはパラグライダー、キッドを追う為の道具を今回は持って来ていたのだ。ビルの合間を抜け、走る電車の上に降りたキッドは俺に流石の対応だと誉めた。
キッド「さっきのパラグライダー、あれも博士の発明かい?」
コナン「もう逃げられないぜ」
キッドの言葉を無視し、飛べなくなったキッドはただのコソ泥と告げるとフッと奴は笑った。
キッド「じゃあ、元の怪盗に戻らせて貰おうかな」
ギリギリ
コナン「!?」
何かを巻く音に気付き空を見るとハンググライダーとキッドが繋がっていた。急いで走りだすとキッドは空へと飛び上がる。
キッド「じゃあな」
飛び去るキッドをこれ以上追う言葉出来ず、劇場へ戻る事になってしまった。会場へ戻ると舞台は終わっており、帰ってきた俺に気付いてそっぽを向いた雪の姿が見えた。
コナン「どうしたんだ、あいつ?」
灰原「はぁ……貴方のせいでしょ」
コナン「え、俺?」
最後まで舞台を観たかったのに連れ回されて機嫌が悪いのだらうと教えてくれた灰原。雪に謝りに行くとしゃがみ込んで頬を引っ張ってきた。
コナン「いひゃいよ、ゆきねーしゃん」
雪「痛くしてるの。舞台観れなかったし……落ちた時は心臓が止まるかと思った」
引っ張っていた頬を離し軽く抱きしめる雪に、ごめんと謝る。
雪「じゃあ……今度、買い物に付き合ってね?」
それで今回の件は許してあげる、と言われ承諾した。その後、俺達は羽田空港に行き函館で行われる打ち上げに参加する事になった。