第26章 銀翼の奇術師〜怪盗キッド〜
ーー貴方side
舞台が始まるとの事で私達は観客席へと案内され席に着く。舞台が開始されキッドが狙うスターサファイアの指輪をつけた樹里さんが登場した。
蘭「わぁ、綺麗……」
雪「うん……ってあれ?」
感動していた私だが何かに気付き指を差した。見るとそこには小五郎の叔父さんと中森警部が舞台の上に立っていた。
蘭「お父さん……」
園子「あはは……」
苦笑いする蘭ちゃん達、きっと叔父さんは怪盗キッドを捕まえる為にあんな事をしてるのだろう。
雪「コナン君、キッドは?」
コナン「……あそこで手振ってるよ」
キッドの動向が気になっている様子のコナン君に場所を伝える。彼は会場の入り口付近に立っていたが舞台の途中で何処かに立ち去っていった。
コナン「追うぞ雪!」
雪「えぇ、なんで私も⁉︎」
コナン「いいから行くぞ‼︎」
何故か手を引かれて一緒に追う事になり、舞台を最後まで観ることは叶わなかった。扉を出てキッドを探していた私達は、道の角で警備員にぶつかってしまった。
「大丈夫? 危ないじゃないか」
コナン「大丈夫、それより……」
?「どうかしましたか?」
警備員に怪しい人がいなかっだか聞こうとすると道の奥からもう1人若い警備員がやってきた。何があったのかを話しているとコナン君が後から来た警備員の持つ警棒へと目をやる。
コナン「お兄さんの警棒、叔父さんの警棒より長いね」
雪「本当だ、少し長いかも」
?「まあ、警棒にも色々あるんだよ」
そう言った若い警備員だったが、コナン君は警棒は長さが決まっていると説明。コナン君、いや新一に分からない物なんて無いんだろうなと感心してしまう。
コナン「ねえ、どうして長いの?」
?「それはね……警棒じゃないからだよ」
ピカッ
「うわっ!」
雪・コナン「「!?」」
警棒から突然フラッシュが起き一瞬目を閉じる。その間に若い警備員はエレベーターへと乗り込む。
コナン「逃すか!」
そう叫び追いかけ始めるコナン君、私も慌てて追いかけ始める。
雪(もう、舞台終わる前に戻れないじゃん……)
少し残念な気持ちになりながらも彼らの後を追って屋上へと走った。