第135章 新しい生活
「ほんっといつも急な人。でも、私が早くここで生きていけるようにするためだったんだよね?ありがとう。」
「下心もあったけどな。プロポーズはちゃんとするから。もう少し待ってて。」
私は降谷さんの胸に頬を押し付け、背中に手を回した。
「うん。…もしかしたら私からするかもよー。でも今無職だし、私も頑張るから。そしたら胸を張って“降谷”って名乗りたい。」
「めぐみはそのままでいい。僕のそばにいてくれたら。」
「だーめ。みんなに助けられたこの命、ちゃんとしなきゃ。」
顔を上げ見つめ合う。
この先もこの人の横でずっとーー…
ガチャ。
「おはようございます。」
ーーもうお決まりだ。
ドアから入ってきた風見さんと3人、一瞬固まってしまったが、風見さんはぐいっとメガネを一度あげ、ドアをパタンと再び閉めた。
「…ぷ。何度目だろうな。」
「は、離してっ!風見さんに謝らないと!」
私は腰に回っている降谷さんの腕に手を置き離れようともがいたが、さらに引き寄せられ頬にキスをされた。
「いいだろ、もう。風見もわかってるさ。」
「そういう問題じゃないの!」
「夫婦だろ?」
「まだ!違う!紙の上だけ!!」
「…違うのか?」
「けじめはちゃんと付けなきゃ!私はまだ夏目ですっ!」
「…奥さん嫌?」
「だから!けじめつける!スジ通す!誰からも祝福される人になりたいの!」
腰にある手をペシペシの叩きながら私は暴れた。
「変なところで真面目だな。」
「言ったでしょ。胸を張って自信いっぱいで『降谷めぐみです』って言いたいの。」
「そういうところ好きだよ。」
「…ありがと。ほら、風見さんのところ行かなきゃ。」
いつもこうやって迷惑かけてばかりだ。
いつか本当にメガネを割っちゃいそう。
「じゃあ、あと一回。」
最後引き寄せられ頬にキスされそうになるのを、手で押し返した。
「もう!仕事!私は部屋探し!かーざーみさーーーん!!」