第135章 新しい生活
赤井さんが帰ったあと、お弁当も食べて待っていたが、降谷さんは中々帰ってこなかった。
……上司に怒られたりとか、してないよね?
私のせいで立場が悪くなったりでもしたらすごく申し訳ない。
降谷さんの机でぼーっとしているとつい悪い方向に考え込んでしまった。
「めぐみさん。降谷さんもまだ帰ってきませんし、警視庁に泊まりますか?」
「えっ!?泊まれるんですか!?」
顔を上げ風見さんの方を見ると、呆れた声でローラさんがため息をついた。
「当直や、仕事が終わらない時だってあるんだから普通に寝る部屋くらいあるわよ。シャワーもお風呂も。」
「へぇー!だから、たまにヨレヨレで降谷さん帰ってきても臭くなかったのか!」
「…貴方ね。」
じとっと睨まれたところで、もうローラさんは降谷さんを好きじゃないとわかったらさほど気にならなかった。
「警視庁ってすごいね。」
「別に警視庁だけじゃなく、全国どこの警察署にも普通にあるわ。」
「じゃあ、お借りしよっかな。私住所ないからホテル借りれないし…。」
「…案内するわ。」
私は向こうの世界から持ってきた荷物を漁り、準備をすると小さなカバンに移し替えた。
はっきり言って快適だった。
想像以上に綺麗だったし、シャンプーとかもいい香りでサラサラになった。
着替えて部屋を出ると、ちょうどローラさんもこちらに来てくれて、女性専用の個室に案内してくれた。
「すごい、個室なんですか!?」
「女性だけね。男性は違うわ。」
「私が使って大丈夫?ローラさんは?」
「私はもうすぐ帰るわ。内側から念のため鍵かけなさいね。」
部屋の中のことを色々聞いて、ローラさんとはここで別れ、風見さんにも挨拶を終えると、荷物を部屋に全部持ってきた。
本当にベッドだけの寝るためだけの部屋だった。
それでも今の私には充分で、とてもありがたかった。
「ーー…明日は降谷さん帰ってくるかな。」
深夜の警視庁。
私は小さなベッドで小さく呟いた。