第134章 君の元へ
私はリビングに出していた荷物を思い出して慌ててリビングに走った。
「ま、まって!!ふるや……あぁ…!」
手遅れだった。
テレビの前に広げられたディスクを降谷さんはじっと手に取って見ていた。
「これは?」
「……えと…」
そのにあったのは『名探偵コナン』の映画のDVDだった。
「そういえば、めぐみの世界にも本になってるって言ってたな。」
「私は本は読んでないんだけど…映画が…その…降谷さんが出てるやつだけ…みちゃった…」
「まぁ、僕も君が出てる漫画は読破した。めぐみが出て、主人公と恋人になるところや、キスシーンも見たさ。」
ーー…知らなかった。
「僕は捜査のためにしぶしぶな。何が嬉しくて好きな女性のラブシーンなんて見なくちゃいけないのか。…で?めぐみは?何でここにこれが?」
「……。お湯沸かしてるから…火止めてきまーす。」
私は逃げるようにキッチンに向かった。
ーー…どうしよう。なんて言おう…。
言い訳を必死で頭の中で考えていると、降谷さんがキッチンにやってきた。
「めぐみ?」
「ひっ。」
「もしかして、これから先起こることを調べたり、組織のこととか知ってるのか?」
私は首を振った。
「そこは…あんまり興味なくて本とか読んでないの。ただ…」
「ただ?」
「……ふ、降谷さんを…見たくて…会いたかった…から…その…降谷さんがでてるところ…だけ。」
は、恥ずかしい。
夜な夜な、TVの前で降谷さんを画面越しに見ていたなんて、ただの変態みたいじゃないか。
降谷さんは私に近づくと、私の頬に手を添えた。
「目の前に本物がいるだろう?」
2ヶ月間、もう二度と会えないと思っていた降谷さんがいる。
降谷さんが出てる映画を観て、泣いてた夜もあった。
映画を見るたびになんだか目の前の画面なのに遠くにいるんだと言われてるようで。
私は降谷さんの腰に手を回し、ぎゅっと抱きついた。