第134章 君の元へ
色々と付き合いのあったお店や知り合いに会いに行っていたら意外と時間がかかってしまった。
「あとは家の解約とかしないとね。それは明日かなー。降谷さん…本当に帰らなくて平気?」
「あぁ。上司にも伝えてある。」
ドキドキしながら、私は降谷さんを見上げた。
「じゃ…じゃあ、今夜は私の部屋に泊まる…?」
「…そうか。考えてなかった。今のもう一回言ってくれるか?」
「ホテルとってそっち泊まる?」
「違う。さっきのもう一回噛み締めて心に留めておきたい。」
「…もう。」
ふぃっと視線を逸らし、私は降谷さんに背を向けスーパーに向かった。
「くく、めぐみ。」
「知らないっ。」
「めぐみの部屋泊めて。」
「ホテル取ってください!」
「…本当にそう思ってる?」
「…晩御飯は降谷さん作ってね。」
「ん。了解。」
後ろから早足で付いてきた降谷さんは私の腰に手を回し、私のこめかみあたりにキスをした。
「めぐみが外で可愛い格好でメガネかけてない。」
「…まぁ。もう隠れなくていいもん。」
「向こうの世界でももう平気だから。」
「降谷さんが潜入してる黒の組織は?」
「めぐみが死んだと情報を流した。」
「でも…顔覚えられてないかな…?」
「5年も前だし、大丈夫だろ。人の記憶はあてにならない。」
「堂々てしていい?」
「まぁ、降谷零の恋人としては隠れないといけないけどな。安室透の恋人としては外でもデートできるよ。」
「でっ!」
買い出しやらなんか色々一緒に二人で出かけることなんてよくあったのに、言葉として言われると急に恥ずかしくなってしまった。
「今も!ほら!買い出しデートみたいなもんじゃない!?」
照れ隠しにそう言うと、降谷さんはふふっと笑った。
「めぐみの部屋、楽しみ。」
「何もない…よ。」
ニヤニヤ笑って頬にキスしてこようとする降谷さんの顔をぐいっと押し退けながら私は赤い顔を必死に隠した。