第134章 君の元へ
ずいぶんと歩いた。
地図が手元にない以上標識を見るしかできないが、知ってる地名と知らない地名があり、とりあえず知っている地名の方に来て、電車に乗り込んだ。
自分の世界の通貨を使うことには抵抗があったが、そこまで言っていたからキリがないのでそこは目を瞑った。
クレジットなんてもちろん使えるわけがないから。
駅前に来て、
インターネットカフェに入った。
自分の免許証を出したときは偽物では無いが、やはりこの世界のものでは無いぶん、緊張した。
めぐみもきっといつもそう感じていたのだろう。
ブースに入り、スマホを取り出した。
めぐみならーーー…。きっと指輪を付けてくれているはずだ。
「…頼む。反応してくれ。」
祈るようにつぶやき、スマホ画面を見つめた。
「いた。」
画面に点滅する白い点。
ここに…めぐみが。
白い点は移動をしているようだった。
こんな朝早くから一体どこに行っているのだろうか。
ネット環境がないと見ることができないから、めぐみの移動が終わるのを待った。
僕が降り立った場所はもしかしたらめぐみも異世界を移動してきた場所なのかもしれない。
ここからさほど遠く無い場所だった。
めぐみを探すのに数日要するかと思ったが、案外すんなりと見つけることができ安堵した。
スマホの画面を見ていると、あるビルから動かなくなった。
地図を見ると一階は喫茶店になっているようだった。
「ーー今でも喫茶店で働いてるのか。」
変わらない。
それがすごく愛おしく感じて、僕はスマホの画面を撫でた。