第134章 君の元へ
数日分の着替えなどを鞄に詰め、警視庁に僕はいた。
「…降谷さん。本当に平気ですか?その…身体に負担とか。」
「身体に何が起こるかとかは不明だ。…小塚の資料によると、めぐみを最初に薬を飲ませた男たちには何もなかったとあるから平気だろ。」
「…。」
風見は心配そうに僕を見つめていたが、いく決心を固めた僕は自分の身体がどうなろうとめぐみを連れ戻すことしか考えていなかった。
帽子を深く被り直し、袋に入れた薬を確認。
予備と合わせて5錠。
「風見、しばらく空ける。」
「こちらのことはお気になさらず。」
「…その……。もし赤井がきたら…。」
「わかりました。代わりに話をしておきます。」
お礼を言っておいてくれ。なんて、どうしても口に出せなくて、口籠もっていると風見がそれを読み取ってくれた。
「すまない。」
袋の中から一錠だけ取り出し、手のひらに乗せ、深呼吸。
「お気をつけて。」
「あぁ。じゃあ行ってくる。」
そう言って、僕は白い薬を飲み込んだ。
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閉じていた瞼を開けると、知らない土地だった。
倉庫とかが並ぶ路地裏のようだが。
携帯を取り出して見ると、圏外の文字。
「…めぐみのいる世界か?」
実はまた違う本の世界でした。なんてこと言わないよな?
目の前にめぐみがいる。なんてことあるとよかったのだが、まぁそううまく行くわけでもなく。
自分の携帯を見つめた。
フリーWi-Fiの場所に行けば、何か調べられるかもしれない。
早朝の冷える空気の中、僕はあてもなくとりあえず街がありそうな方へと歩き出した。