第133章 むかえに。
無表情のまま、降谷を見下ろす赤井に降谷は赤井の胸ぐらを掴んだ。
「だから!めぐみは帰ったんだ!もういないんだ!どこにも!」
「だから、それは聞いた。」
「…!俺はお前が…!」
「その研究員とやらは薬もうないのか。まだあるんだろう。坊やが調べていた薬もある。」
「…っ。」
降谷に掴まれていた腕を払い、赤井は今度は降谷の胸ぐらを掴みぐっと顔を寄せた。
「めぐみは何のために向こうに行ったんだ。帰りたかったわけじゃないんだろう。薬はまだある。君が諦めてどうする。」
めぐみは降谷と倒れたローラたちを救いたくて薬を飲んだ。
そんなこと、降谷にだって痛いほどわかっている。
ぐっと赤井を睨みつけると、降谷は赤井の手を払い除けた。
「うるさいっ!くそっ!お前なんかに言われなくてもわかってたさ!」
「…そうか。」
払われた手をさすり、懐からタバコを出すと足元で震える大男を見下ろした。
「こいつが薬の製造に携わっていたんだな。」
「あぁ。」
「こいつを締め上げよう。」
「ひぃぃ!」
赤井は研究員の腕を掴み立ち上がらせた。
「FBIと公安は…違法捜査が得意だ。なぁ?」
研究員の耳元でそう呟くと、ガタガタと震え、
「なんでもする!何でも言う!全部言うから!」
と、涙ながら答えた。
「赤井さん!……あ、安室さん。」
怪我人の様子を見終わったコナンは赤井と降谷の元に駆け寄り、降谷の顔を見て、ほっと安心した。
「なんだい?」
「安室さん、よかった。元に戻ったみたいだね。さっきすごく…その…怒ってるって言うか…心ここに在らずって感じだったから。」
「あぁ。ーーやることができた。」
目をキラキラと輝かせ、降谷は笑った。
「やること?」
「めぐみを迎えに。」