第131章 最終章【コーヒーはミルクだけ】
ダァンと、銃声が響いた。
「あっ…ぐ……」
倒れたのはローラさんだった。
脇腹を押さえ、膝をついた。
「ローラさんっ!!」
私は暴れたが、上にいる男のせいでまったくびくともしない。
「…ローラさんっ…やだ!」
ばたりとその場にうつ伏せに倒れてしまった。
段々と広がって行く血ーー…。
「ちなみに横の男は既に瀕死だ。」
香山さんが座っているパイプ椅子を貝山は蹴飛ばした。
「小塚の毒はよく効くなー。」
ピクリとも動かない香山さん。
顎を上げ、笑顔を浮かべる貝山は今度は私に銃を向けた。
ーーー全部私のせいだ。
公安だと勘違いして、信用してしまった私の。
貝山は私に近づいてきて、銃を左手に持ち替えるとナイフを取り出した。
「立たせろ。」
貝山がそういうと、私の上にいた男が私から退けて、腕を引いて無理矢理私を立たせた。
「さぁ、ゼロ。女は殺せない。だけど痛い目に合う。…どうする?」
ぎりっと降谷さんは歯を食いしばっているようだった。
「俺はね、何度もめぐみちゃんを口説いたんだ。」
「…。」
「何度デートに誘っても、口説いてもちっともこっちをみてくれない。俺は漫画を読んで小さい頃から君というキャラクターが好きだったのに。」
「…っ。」
頬を撫でられ鳥肌がたった。
「だから、小塚に協力をした。奇跡じゃないか。大好きなキャラクターが動いて喋って自分に微笑むなんて。最高の世界が作れる。小塚製薬は最高なんだよ。」
「そんな彼女を傷付けるのか?」
「お前がその研究者を離せばいい。俺にはめぐみちゃん以外にも呼んでもらいたいキャラクターがいるんだ。退けなければめぐみちゃんを傷付けなきゃならない。」
ナイフが私の腕に当てられた。
つーっと赤い筋が出来て、ピリッと痛みが走った。
「お前の仲間は全部倒れた。あとはゼロ、お前だけだ。下がれ。」