第131章 最終章【コーヒーはミルクだけ】
「ポアロにいる君に近づいて、公安だと勘違いさせた。もともとハッキングをして情報は盗んでいたからね。だがさすが公安だ。セキュリティーがしっかりしていて、どんな捜査をしているのか、というのはわかっても、肝心な情報は俺でも盗むことができなかった。」
「…っ。」
「一度目の襲撃も、ポアロへの襲撃も俺が小塚に情報を渡したからだ。」
はっ、はっと息が荒れた。
「マンションの近くはわかったがどこでどの部屋かまではわからなかったから、君に聞いた。」
ーーー…私が情報を渡してた。
ーーー…私のせいで。
「ゼロもあの部屋に来ると君から聞いて張っていた。ポアロにも来ていたその男。」
銃を降谷さんに向け、降谷さんを睨みつけた。
「安室とかいうお前が“ゼロ”だな?」
「…。」
ーーー…私が…貝山に…言ったから。
「わ、わたし……。」
「めぐみ。落ち着いて。」
降谷さんは別に怒った表情を浮かべるわけでもなく、私を見つめた。
「ゼロ…。こんな金髪の男だったとは。さぁ、お前が乗っかっている男はこちらにとって少し必要な男でね。退けてもらおうか。」
「…退けたらめぐみもろとも連れて行くんだろう?」
「交渉するつもりはない。その男を離せ。」
降谷さんの下にいる男はそれほど重要な人物なのだろうか。
降谷さんは退ける様子がなく、貝山の出方を見ているようだった。
「この男は薬の研究員の一人だな?指先の変色、匂い、キャップを被った後のある額。…小塚の研究員か。」
「…御名答。その男を失うわけにはいかない。ついてくるなと言ったのに、どうしても実験の成功者である“めぐみ”を見てみたかったらしい。」
「じゃあ、なおさら離すわけにはいかないな。」
「ぐっ!」
降谷さんは研究員とは思えないほどの大男の腕をさらに捻り上げた。