第131章 最終章【コーヒーはミルクだけ】
「…風見が心配だ。」
「え?」
「風見の携帯を盗んだのか、奪ったのか…。」
「あっ、そうか。」
風見さんの携帯から降谷さんにメールが来たのだから、風見さんの身に何かあったと思うのが自然だ。
「ただのハッキングならいいんだが。」
「…やっぱり警察関係者の中に小塚の人が入り込んでるってことかな。」
「あんまりそう思いたくないがな。…警察、というより公安の中にいる。」
ーー…公安の中に。
みんな命をかけて仕事をしているその仲間を裏切っているーー…。
降谷さんを見上げると、悔しそうな表情を浮かべていた。
指揮を取る降谷さん。
FBIやコナンくんと一緒になって小塚を捕まえようとしているのに、その同じ仲間の中に情報を小塚に渡していると考えただけで、降谷さんにとってこれ以上許せないことはないだろう。
移動手段が断たれた今、私たちは身を隠しながら進んでいた。
「ストップ。…誰かいる。」
視線の先にはスーツを着た数人の男女。
ローラさんと香山さんだ。
まだこちらには気づいていないようだ。
ーーよかった。合流できそうだ。
「合流しよう。恐らくもうすぐコナンくんや赤井もくるはずだ。」
香山さんは倉庫にあったボロいパイプ椅子に腰掛け、その横にローラさんが立っている。
私たちは二人の方に向かった。
ローラさんとは喧嘩ばっかりで姿を見るたびに、ため息が出ていたけど、今はローラさんを見て安堵した。
「ローラさん!」
私は笑顔で手を振りながら声を掛けた。
振り返ってローラさんは、顔面蒼白で私たちを見た瞬間首を振った。
ぐっと、腕を引かれ口元には誰かの大きな手のひら。
「…めぐみっ!」
私のすぐ前を歩いて降谷さんは私を振り返って、手を伸ばしたが届くことは無かった。