第130章 そんなの知らないっ!
「めぐみ、ここは街中すぎる…。」
「構いません、私より他の人の安全を優先してください。」
「…。」
降谷さんはこのまま街中でカーチェイスを続けるのは危険だと思ったのだろう。
何台もの車に追われてる。今より建物や人が少ないところに行けば行くほど私にとって危険なのは分かっている。
だけど、事故でも起きたらきっと一般市民が巻き添えになるだろう。
降谷さんはぐっと眉を寄せ、次のカーブを曲がると一気に加速した。
段々と建物が少なくなってきた。
私は後ろを振り向いた。
何台か振り切ってついてきているのは3台。
「降谷さん。」
「…なんだ。」
真剣な顔で真っ直ぐ前を見る降谷さんは私だけじゃなく日本を守るゼロの顔そのもので。
夜の真っ暗な道の街灯がキラキラと髪の毛に反射していてとても美しかった。
そんな彼を横から私はじっと見つめた。
「謎解きをするときの真剣な顔も。」
「…めぐみ?」
「私だけに見せる悪戯っぽい顔も。」
「…?」
「過去に辛いことがあったことも全部自分の力に変えて進むことも。いつもいつも一生懸命に誰かのために動く。」
「そんな貴方が好き。」
「…っ。」
「降谷さん、大好き!……きゃっ!」
ガタガタっと車が急に揺れて、私はドアと前のダッシュポードあたりに手をついた。
「お前なっ!ハンドル切り損ねただろ!」
降谷さんはチラッと私を睨んで来たが、すぐに前を見てハンドルを強く握り直した。
「降谷さんだって私にバイク乗ってた時に言ってきたからいつかお返ししてやろうってずーーーーっと狙ってたの!」
「だからって何で今なんだ!あぶないだろうが!追ってるんじゃない!追われてるんだぞ!くそっ!やっとめぐみから気持ちを聞けたというのに抱きしめることもできないじゃないか!」