第130章 そんなの知らないっ!
色んな情報がどっと頭に入ってきて、急に頭がくらくらとしてきた。
普段頭を使ってないツケが回ってる。
「めぐみ…?大丈夫か?」
「降谷さん…今日一緒に寝てもいい?」
「あぁ、もちろん。」
「疲れてるのに、ごめんなさい…。」
「これくらいいつものことさ。…なるべく僕がめぐみのそばにいるようにするから。」
私のおでこにキスを落とすと、降谷さんは立ちあがり寝る準備を始めた。
2人で広いベットに入り、私は降谷さんの脇の下辺りに頭を寄せ、擦り寄った。
降谷さんもそんな私の肩を抱きしてめてくれた。
一人だと考え込んでしまいそうで、こうやってお布団に一緒に並んで寝てくれているだけで安心した。
「…降谷さんはいいの?」
「ん?」
「…恋人がこんなので。」
「こんなのって?」
「えっと…本の中の…人間っていうか…その…」
作られた、誰かに書かれた人間でもって言おうとして私は口籠もった。
直接口にすることがなんとなく怖かった。
「めぐみは、いつも僕を見てくれてた。気遣ってくれて、そばにいてくれて、支えてくれていた。」
「…。」
「それはめぐみの意思だろう?」
「…うん。」
「何の問題もない。めぐみはめぐみだ。」
ぐっと胸に込み上げてきて、私は降谷さんの腰に手を回し、顔を押し付けた。
「上層部と話をしてめぐみの戸籍や、今までの経歴の書き替えなど、こっちで住めるよう準備をしている。」
「…ほんと?」
「あぁ。何も心配しなくていい。それに僕はバーボンだぞ?僕が今潜入している組織にも君が死んだ情報を流す。」
「そんなこと出来るの?」
「君そっくりの死体の写真や、書類の偽造、朝飯前だ。」
「…降谷さん。」
「君の5年、絶対に無駄にしない。」
「…っ。」
「よく頑張ったな。…めぐみ。大丈夫。全部終わったら普通に暮らせる。」
「…ありがとう……。」
「全部終わったら、もうその先ずっと一緒だ。」
「うんっ。」
私は降谷さんの胸から顔を上げ、首に手を回し、唇を頬に押し付けた。
5年、自分なりに頑張ってきた。
それを無駄にしないと言われて、私は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。