第129章 真実
「じゃあ、めぐみちゃん。俺たちは小塚製薬についてもっと捜査するから、もう少し頑張ってくれな?」
「はい。ケーキ美味しかったです。」
貝山さんはニコッと笑って私の頭を撫でようとしたが、すっと手を引っ込めた。
「ごめん。つい触りたくなった…。めぐみちゃんには好きな人いるもんな。」
「…はい。すみません。」
「謝ることないよ。公私は分けるつもりだ。あ、それと。このケーキ内緒にしといてくれる?めぐみちゃんに何かを買ったりするのは本当は許可がいったんだ。」
「わかりました。」
「でも、欲しかったら買ってくるから。」
「その時はまた連絡しますね。」
人が良さそうに貝山さんは笑顔で玄関先で私に手を振った。
その笑顔がなんとなくコータさんの笑顔に似てる気がして、私も笑って手を振りかえした。
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貝山さんは本当に私の様子を確認してケーキだけ食べて帰っていった。
ーーこうやっていろんな捜査官の人に気にかけてもらってる。
「早く出たいなー。」
と、呟き私は夕食の下拵えにキッチンに向かった。
降谷さんは遅くなるかもって言っていたから食べないかもしれない。
次の日に回せるものにしようと、鶏肉を取り出した。
帰ってきたら、卵を入れるだけでできる親子丼にでもしよう。
お風呂にも入って自分で作った夕食も食べ終わってソファに座って降谷さんの帰りを待つ。
今日は小塚製薬に潜入しているローラさんからの定期報告の日だと言っていた。
ーー…ローラさんはすごいな。…いいな。
「だめだ、一人でいると悪いことばっかり考えちゃいそう。」
私は気を紛らわそうとテレビをつけ、映画を見ることにした。
日本の恋愛映画をぼーっと観ていたら玄関を開ける音がしたので私は急いで立ち上がり、玄関に走った。
「ただいま。」
「おかえりなさいっ!」
「遅くなってごめん。」
「ううん、映画観てたから。」
降谷さんは私の頭をぽんっと撫でるとすぐに自分の部屋へと入っていった。
…降谷さん?
いつもならべたべたと触ってきたり引っ付いてくるのに。
何かあったのだろうか?