第129章 真実
何やら小さなジップロックのようなものを取り出した。
手のひらサイズのちいさな袋だ。
「…?」
降谷さんはベッドに座る私の前に膝をついて座った。
「左手。」
「…?」
手首をぐいっと引かれると左手を優しく触れ持ち上げた。
そして、私の薬指にシルバーに輝く指輪をゆっくりとはめた。
「…本当は本物を君に贈りたいんだけど。」
「…降谷さん。」
「特別に作った君を守るものだ。GPSが内蔵されている。僕とコナンくんと赤井が確認できるようになってる。」
「コナンくんと赤井さんも?」
「あぁ。ここに呼ぶのはリスクがあるから、こちらで既に話をして協力しあってる。」
私は指輪を撫でながら、笑った。
「そうなんだ、よかった。みんなにお礼言わなきゃ。」
「…めぐみ。」
降谷さんはひざまずいたまま、もう一度私の左手を取った。
「絶対に外さないように。全部終わったらもう一度ちゃんとしたものを贈らせてほしい。」
「…降谷さん。」
私の左手の薬指に唇を寄せ、ちゅっと音を立てた。
「愛してる。」
「……っ。」
「僕の命に変えてでも君を守る。絶対に向こうの世界に行かせやしない。小塚製薬にも、雇った組織にも君に手を出させやしない。」
「…だめ、命には……変えないで。」
ぼろぼろと出る涙を止められず、私は私の前にひざまずいている降谷さんの手を強く握り返した。
「私も…帰りたくない。私も必死にあがくから、絶対に命に変えないで…!降谷さんが死んだら…私も死んでやるから…!」
「ははっ、それは死ねないな。」
私の涙を手で拭ってくれた降谷さんに私は飛び込んで抱きしめた。
「泣いてばっかりだ、私。」
「何度でも拭いてあげる。」
「総長の時は泣いたことなかったんだけどなー。大切なものが増えた証拠かな…。」
「かもな。…さ、ご飯にしよう。遅くなった。」
「うん、温め直すね。」
私は自分の左の薬指の指輪を撫でて、ベッドから立ち上がった。