第129章 真実
ずっと不安で言えなかったことや、もやもやと考えていたことが少しずつ晴れていって私は力一杯降谷さんを抱きしめた。
「一人で考え込んでごめんなさい…。恋人になれないって突き放されて離れるのが怖かった…。」
「…そうか。もうどんな些細なことでもいい。少しでも悩んだりするなら全部話してほしい。これから先もずっと。」
「うん。」
「やっと晴れてちゃんと恋人同士になれたんだ。」
「…こい…びと。」
なんだかピンとこない。
「上司の方…許可くれるかな。…黒田さんでしたっけ?」
「…知ってるのか?」
「ううん、顔も性別も何も知らない。ただローラさんと同じ苗字ってことだけ。」
「そうか。もうめぐみのことは話してある。それに恋人だと言うことも。」
「へっ?」
もう?
「遅かれ早かれめぐみは絶対僕の恋人にする予定だったから。なら、別にもう言ってもいいだろう?」
「…ふふ。私にフラれてたかもよ?」
「そんなこと、させるわけない。」
そうやって、いっつも自信満々で、俺様で、自分勝手で…でも、
「真っ直ぐで一生懸命で誰かのために走り続ける貴方の恋人になれて…こんな嬉しいことないよ。」
「僕の恋人は大変だぞ。」
さんざん恋人になれって言っていた降谷さんが急にそんなこと言うのが面白くて、くすくすと笑うと、降谷さんが私の手を取って歩き出した。
「…?」
「ちょっと僕の部屋きて。」
「…えっ、い、いま!?ご飯…あるし!」
私が慌てて言うと、降谷さんは呆れた声で笑った。
「いいから。ここ座ってて。」
部屋に入ってベッドに座らせると、降谷さんはハンガーにかけてあるスーツの上着のポケットをあさりだした。