第125章 恐怖
「こっちに来た時ね。私髪の毛染めて派手だったし、メイクもバッチリしてたし…別人みたいな感じだったの。」
「うん。」
「でも、今はほら、地味でしょ?」
「そうだね。」
私は手を広げ、今の自分の服をコナンくんに見せた。
「でも、今日襲ってきた人が、もし私を探してたんだとしたら…、もうバレちゃってるってことだよね。今のこの変装が。」
「…そうだね。」
じゃあ…私はもっともっと隠れて暮らさなきゃいけないってこと?
今以上に…。
「キッドさんに変装教えてもらったほうがいいのかな。」
「ていうかさ、キッドは本当に偶然だったの?」
「たぶん。困ってる女性を助けただけで、私のことは本当に知らない感じだったから。」
「うーん、じゃあ、偶然か。」
「うん。」
私は2個目のケーキに手を出した。
「食べ過ぎじゃない?」
「いいの。晩ごはん食べ損ねちゃったんだもん。」
「僕さ、ずっと思ってたんだけど。」
私のケーキをじっと見つめながら、コナンくんが切り出した。
「ん?」
「安室さんに話したらどうかな。」
「何を?」
「…めぐみさんが違う世界の人ってこと。」
「え…?…でも……」
私のことを好きだと言ってくれる彼に、いつか消えるかもしれないって?
貴方は本の中の人なんだって…?
「守ってもらった方がいいと思う。それに、安室さんからしたら早く教えて欲しかったって考えるんじゃないかな。」
「……。」
「僕は、『物語になってる』って聞いてたしかに複雑な気持ちになったけれど、それでも僕はこうやって生きてるし怪我だってするし、色んな感情もある。」
「…うん。」
「もしかしたら戸籍のこととかも助けてくれるかもしれない。」
「……。」
私は下をむき、ぎゅっと目を閉じて、拳を作った。