第125章 恐怖
ポアロに最低限の電気だけつけて、お店のソファ席にコナンくんに座ってもらった。
ご飯だけでデザートはまだだというから、小さなケーキとコーヒーを出してあげて。
「なんか…たくさんありがとう。」
「ううん。」
「で、何があったの?」
「まずね、お友達とご飯の約束してたの、そのお店の目の前で急に大きなバンが停まってね、その中から上品そうな男性が出てきて、私を捕まえようとしたの。」
「えっ!?」
「走って逃げてたら、偶然通りかかった怪盗キッドさんに助けられて、ここまで飛んで逃げてくれたの。」
「えぇっ!?めぐみさんって、いつもなんか盛りだくさんだよね。」
いちごをプスッと刺して、コナンくんがそう言った。
「その誘拐犯は無差別だったの?それとも確実にめぐみさんを狙ってきたの。」
「うーん、怖くてあんまり覚えてないんだけど、『見つけた。』って言ってたから…たぶん私を探してたんだと思うの。」
コナンくんは一気に怖い表情になった。
「じゃあ、黒の組織…?」
「それが、『宝』って言ったの。私のことを。殺すと言うより捕まえたい感じだった。」
「じゃあ、ジン達じゃないか。…『宝』?」
「もしかして、私をこっちの世界に呼び寄せた人達なのかなって思って…」
「うん、その可能性はあるね。」
「でもさ、何の変哲もないただの元ヤンキーの私をさ…呼ぶ?普通。」
「うーん、それはなんとも言えないけど、何かの実験の成功者だとか?こっちの世界によんで生きてるのはめぐみさんだけとか。」
ぞっとした。
本当にそうだとしたら、失敗した人もいるかもしれないってこと?
まだ…想像の域だけど。
私は自分のケーキ(お店の残り物)を豪快に口に入れた。
なんとか、恐怖を誤魔化したかった。