第124章 モテ期
降谷さんに家に送ってもらい別れた後、私は携帯をじっと見つめた。
いつどうなるかわからないーー…。
後悔したくない。
と、貝山さんは言っていた。
それは私も一緒で、いつ消えてしまうのかわからない。
降谷さんを一人残してしまうかもしれない。
お墓参りに毎年行っている心優しい降谷さんを残して行きたくない。
ふと突然消えてしまって、お墓のないヒロさんと同じようになってしまったら、降谷さんはどう思うだろう。
そうならないんだと、証明できたら恋人にして欲しいと降谷さんには頼んだけれど…
「わがままだよなー…私。」
ベッドにもたれかかり、膝に顔を埋めた。
■□■□■□■
私は結局貝山さんと出かけることにした。
あまりに熱心だったのと、『食事だけ。絶対に私に触れるようなことをしない。』という約束をしてくれたからだ。
ーー…貝山さんも日本を守るために日々忙しくしているんだもんね。
あの時の総長の私と、普段の私が全然違うのだとわかってくれたら諦めてくれるかもしれない。
約束の日。
私は締めをささっと終わらせ、ロッカーで荷物をまとめていた。
「あっれー?めぐみちゃん…なんかいつもより…。」
一緒に片付けていた梓さんがエプロンをたたみながら私を上から下まで眺めた。
まずい、今日貝山さんと食事に行くのはできればバレたくない。
絶対に安室さんに伝えるからだ。
それに、総長とは違うんだと思わせるためにいつも以上にダサい格好をしてきたつもりだ。
オレンジっぽいチェックのシャツはズボンからだし、厚手のパーカーそして、黒いズボン。髪の毛はささっと後ろにまとめただけ。
そして、百均メガネ。
どうだ、ダサいだろう。
「な…なに?」
「いつもより…不思議な格好だね!他の服はお洗濯中?」
「あ、はは。」
私は帽子を被り、苦笑いしながら梓さんに手を振った。
「服買わないとねー、じゃあお疲れ様、梓さん。」
「うん、お疲れ様ー!」
ポアロを後にして、私は指定されたお店の住所に向かって歩いた。