第124章 モテ期
飾り付けは昨日の分は残してある。
本当は今日が31日で本番だからだ。
昨日が日曜日でみんな昨日ハロウィンを楽しんだ人が多い様だが、マスターには今日までハロウィンの飾り付けは残しておく様にと言われている。
一応コスプレでご来店の方、お菓子差し上げます。というポスターを貼ってはいたが、昨日お休みしていたからこの告知を知っている人はそういないだろう。
学校帰りの子供が、ドラキュラのマントやカチューシャをつけて遊びに来たり、「トリックオアトリート!」と来店してきた子供たちにお菓子だけは渡していった。
そんな中、ランドセルを背負った少年。
「あ、梓さん。ごめん、ちょっとコナンくんのところ行ってきていい?」
「いいよー。」
私は表からエプロンをつけたまま急いで出て、コナンくんに駆け寄った。
「コナンくん!」
「げっ!」
げって何!?
コナンくんは私を変態でも見つけたかの様に身をひいた。
「昨日のこと謝りに来たの。」
「…今酔ってない?」
「もちろんもちろん!全然覚えてないんだけど、安室さんに聞いて…。ごめんね。嫌な気持ちにさせて。」
「ほんとだよ。びっくりした。お酒二度と飲まないでね。」
「はーい。昨日のもさ事故だから許して。」
コナンくんの頭をわしゃわしゃっと撫でると、その手をぱしっと払われた。
高校生だもんね、頭撫でられたくないよね。
でも、つい可愛いから手を出してしまう。
「あの…すみません。」
しゃがんでコナンくんと視線を合わせていると、少し離れた後ろから声をかけられ二人でそちらに視線を向けた。
スーツを着た男性が一人、少し緊張気味に立っていた。
歳は30代前半だろうか、黒髪でワックスでキチンとセットをしていて真面目そうだ。
私?それともコナンくん?どちらに話しかけたのだろうか。
ーー私を見てる。
「私ですか?」
「はい。少しだけお話いいですか?」
真剣な表情でこちらを見る男性に私は小さく頷いた。