第124章 モテ期
ごっこというより、ホンモノです。とも言えず。あははーっと笑って誤魔化した。
「んもう、めぐみちゃんは全然教えてくれないのね!私は昨日彼氏とハロウィンのコスプレで楽しんだわよ!」
「え?」
「だって、せっかく可愛い魔女の格好だもん。彼氏に見せに行ってきたの。彼氏も喜んでくれたよ。」
うふふっと幸せそうに顔を赤くする梓さんはとても綺麗だった。
「実際梓さんのあの服可愛かったもんね。」
「ありがとう。めぐみちゃんのあの婦警の服もいつでもいいからね。」
「あっ。あーー…。ごめん、梓さん。あれ買って返します…。」
「ん?どうしたの?…えっ!?なになに!?もしかして!?」
「いや、あの…や、破れちゃって。」
安室さんに前を引きちぎられてボタンの半分は飛んでいった。
「は、激しいのね。安室さん。」
「梓さんから借りたって安室さん知らなかったから…ごめん。」
「あんな優しそうな男性でもやっぱり、好きな女性の前では豹変するのね。ねえ、破るくらいってことはやっぱりドSなの?」
私の肩にピッタリ引っ付いてきて梓さんはコソコソと聞いてきた。
「えぇ!?聞く!?…いやぁ、梓さんはどうなの?」
「私?私は…私がドSかな!」
まさかの梓さんの方!
驚いて作業をする手が止まっていると、梓さんが続けた、
「昨日も私が魔女だから、魔法かけるフリして命令して遊んだよ。」
あ、梓さんが!?
「さ、私はちゃんと話したんだから、めぐみちゃんも教えてね?」
「…んんーー、まぁ、安室さんはそうだね…服破るくらいに…Sではあるのかなぁ。待って!あんまり言うと安室さんに怒られちゃう!」
「よく怒られるって言うけど、殴られたりとかそんなことないよね!?DVとか!」
デキャンタに入った淹れたてのアイスコーヒーをバンっと置いて、梓さんは私に詰め寄った。
「安室さんに殴られたことなんてないない!」
ゲンコツを落とされたことはあるけど。
そんなのかわいいもんだ。
「じゃあ、ただ純粋にめぐみちゃんにだけドSな男ってだけね。夜限定の。うふふ」
「安室さんには言わないでね!」
「言わない言わない。」
嬉しそうに笑いながら作業をする梓さんをみて、確かにSかも…と思うのであった。