第123章 トリックオアトリート
瞬きをぱちぱちとしながら、驚いて敬礼をしてしまったが…なんで私がしてるんだろう。
「んー、もっと肘上げて。」
「はい!」
「手首は真っ直ぐ。」
「はい!」
「指も反りすぎない。」
「…なんで私っ!?」
「僕だけじゃつまらないだろ。」
ニコッと笑って、降谷さんもわたしに向かってビシッと敬礼をしてくれた。
「わっ!ほんものだ!」
「なんだ、その感想。」
「すごい!」
「警察学校では入校と同時に毎日必ずやってたからな。少しでも動いたりゆがんだり、曲がってると、しばかれた。」
「降谷さんもしばかれた?」
「敬礼は完璧さ。」
「さっすが伝説の全科目一位様!」
「罰はよく受けてたがな。」
「そうなの?」
「まぁね。みんなでよく走らされたし、風呂掃除やトイレ掃除の罰も受けた。」
懐かしそうに話しながら、降谷さんは敬礼を解いた。
きっと同期の話だろう。大切な友人だった人たち。
私の表情を読み取った降谷さんはニコッと笑って、私の頭を少し乱暴に撫でた。
「警察官ごっこはおしまいでいいか?」
「うん!降谷さんの敬礼はやっぱり別格!かっこよかった!」
制服姿も充分堪能させてもらった。
「じゃあ、次は僕の番だな。」
「…んんっ!?」
「せっかくエロいサイトで買った婦警のコスプレ。じっくり堪能させてもらうよ。」
「待って!なんであのサイトで買ったって知ってるの!?」
「みたらわかる。そんな服普通に売ってるわけないだろう。」
梓さんに借りたなんて言えなくなった!!
降谷さんはこのミニスカポリスを、わ、私が買ったって思ってるってことよね!?
「ニーハイもいいが、網タイツもみてみたいなぁ。」
「えっ!?なんで…!?」
降谷さんは私にスマホの画面を見せてきた。
それは、紛れもなく梓さんが愛用しているサイトで、私が着ているミニスカポリスと同じ商品が載っていた。
「特定済みだ。」
「ひっ!」
「めぐみがなんでこんな服を…って調べたらすぐに出た。出来れば人前では着てほしくなかったが…。」
「…!」
「さ。今度は僕と警察官ごっこしようか、めぐみ巡査長?」