第123章 トリックオアトリート
一歩私の方に近づいてきた降谷さんはにこにこ笑ってる。
「…じゅ、巡査長ってさ!」
「?」
「“長”がついてるし、偉いんじゃないの?」
こちらに近づいてくる降谷さんがなんとなく怖くて、話を逸らそうとそう言うと、降谷さんが首を傾げた。
「階級としては一番下だ。巡査長という階級はないからな。巡査と同じだ。」
「…え。」
“長”がつくくせに!?
「じゃあ、私降谷さんより下!?」
「そもそもめぐみは警察じゃないだろ。」
「納得いかない!降谷さんより上が良い。降谷さんより上だったらなんて言うの?降谷さんは階級とかあるの?」
「僕より上が良いなら“警視”だ。」
「じゃあ私“けいし”!」
「…。」
呆れた顔しないで欲しい。
警視なんて初めて聞く言葉だ。
「警視の私の言うこと聞きたまえよ。降谷…えっと…」
「警部だ。」
「降谷警部っ!…え、警部?」
「そうだが。」
「目暮警部と同じ?」
「あぁ。知ってるんだな、目暮警部のこと。」
「ま、まぁ、コナンくんがあれだけ話してれば…。」
…見たことはあるけど、話したことはない。
「彼は僕ことを探偵としてしか知らないから、内密に。」
「もちろん!…降谷警部かー。ふふ。」
「なんだ?」
「響きがかっこいい。警部って偉いの?」
「…ん、まぁ。色々試験を受ける。」
「へぇ。じゃあ、警視の私はもっとすごいね。」
「くく。」
階級に関してはピンとこないから、軽口を叩いていると、降谷さんが近づいてきて私の腰に手を回してきた。
「無駄口はそろそろいいでしょうか?めぐみ警視。」
「えっ…え?」
「警視に無礼なことなんて出来ませんから。」
ふわっと私を抱き上げると、ベッドの上に優しく下ろした。
「警視にご満足いただけるよう、あまーい僕がそれはそれは優しくして差し上げます。」