第123章 トリックオアトリート
銃は本当に重くて、ずっと構えるには既に腕がキツかった。
「ね、ねぇ。」
「ん?」
「…的。」
「それがどうした?」
「なんで、赤井さんの写真なの。」
「狙いやすいだろう。」
ーー…いやそうじゃなく。
カーテンに貼ってくれた的は赤井さんの写真だった。
銃で狙う的が赤井さんってどんだけ。
「写真持ってることに驚いた。」
「調査対象だからな。」
「あ…そう。」
腕が疲れてきた私は銃を下ろすと、降谷さんに渡した。
「すっごく貴重な体験が出来た。ありがとう。」
「もういいのか?」
「大っ満足!降谷さんが構えてるところも見れたもん!かっこよかったー。」
降谷さんは銃を受け取ると、またガチャガチャと素早い操作で何をやってるのかわからない動きで、弾をまた戻していった。
「ねね!警官ついでもう一つ!」
「ん?」
銃をまた私の知らないどこかに仕舞うと、帰ってきた降谷さんに私はもう一つお願いをすることにした。
「敬礼が見てみたい!」
「…。」
じとっと見られて私は、ちょっとわがままが過ぎたかなってたじろいでしまった。
「トリートが多い。」
「私もトリートするする!」
「言ったな。」
「うん、お菓子だけどね!」
「却下。よし。後からあまーいめぐみを貰えることになったし、めぐみの要望に答えよう。」
「あまーい私っ!?」
「今の僕みたいになんでも言うこと聞いてくれるんだろう?」
つんっとおでこを突かれ、私は内心ビクビクしてしまった。
降谷さんからの要望なんて碌なもんじゃないに決まってる。
「やっぱり…トリートはもういいかなぁ…なんて。」
「まぁ、そう言うな。めぐみ!」
「はい!」
「敬礼っ!」
「え!?は、はいっ!」
急に言われ私は背筋を伸ばし右手をピッと伸ばしおでこに当てた。