第123章 トリックオアトリート
またガチャガチャっと操作をすると、銃を握り、両腕を真っ直ぐカーテンの方に伸ばした。
「わぁ……かっこいい。」
ビッと動く姿も、警官の格好も、真剣な眼差しも、銃を構える降谷さん全てが空気が違って見えて圧巻だ。
「ふふ、スピードと正確さが大切だからね。はい。」
「…はい?」
銃の持つところを私の方に向けられて、私はぽかんとした。
「構えてみたかったんでしょ?」
「いや!ホンモノは!おもちゃで…!」
「せっかく警察官の格好なんだから。弾は抜いてる。」
「い、いいの…?」
「誰にも言うなよ。」
ごくりと唾の飲む。
「勝手に空砲とかならない?」
「この銃はグリップをしっかりと握らないと撃てないタイプのものだから大丈夫だ。」
「ぐ、ぐりっぷ?」
「ここの握るところ。優しく持ってまってて。」
降谷さんは私の手のひらに銃を乗せるとカーテンの方に行った。
「めぐみの背の高さからして、この辺か。撃つわけじゃないが、的があった方が構えやすいだろう。」
ペタリとカーテンに紙を貼ってまた私の後ろに戻ってきた。
「思った以上に重いね…。」
「僕のは普通のより重い。ずっと構える訓練もある。」
「腕疲れちゃうね。」
「そのための訓練だ。」
警察官ってすごい。
「ほら、握ってみて。」
引き金には指をかけないように私はグリップを優しく握り、左手でそれを覆うように持つと、カーテンに向かって構えてみた。
「こう…?」
「そうそう。さっき僕のみてたからいい感じ。肩の力抜いて。」
後ろの左耳の後ろから声をかけられ、ドキドキする。
肩を持たれ、右腕を支えられた。
「ここは真っ直ぐ。反動がすごいから狙う時は少し下がいい。女性は特にね。」
ススっと左腿を撫でられ、私はビクッとしてしまった。
ミニスカートだから、恥ずかしい。
「…っ。」
「左足は少し下げて。」
「…はい。」
わざといやらしく触ってるのか、真面目にやってるのかわからないから責められない。
「うん、いい感じ。」
そんなに耳元で言わなくても…。
今絶対耳が赤いだろう。