第123章 トリックオアトリート
「お酒飲むと凄い豹変しちゃうんですね、めぐみさん。」
「僕も見るのは2回目なんですけどね。すみません、すぐ連れて行きますから。」
「いえ、飲ませてしまってごめんなさい。」
「らんちゃんもちゅーしよー。」
「はは…」
ズルズルと引きずりながら、バッグヤードまで行くと、梓が荷物を持って駆け寄った。
「めぐみちゃんの荷物持ってきました!」
「ありがとうございます、梓さん。助かりました。」
「あずちゃーーん、あっずー!ちゅーしよ!ちゅー!」
「それはあとで安室さんとしてね!」
「安室さんとはいっぱいするよ!いーーっぱい!ね?」
「…黙ってなさい。」
やーん!と安室にひっつこうとするめぐみをなんとか押さえつける。
「しっかりして。」
「とーるくんはねー、ちゅーたーくさんしてくれるもんね!今しよ…?」
安室はこれ以上はまずいと急いで、めぐみをズルズルと出口まで引っ張った。
「めぐみお姉ちゃんと安室さん、ラブラブだね!」
「羨ましいです。」
「うちの父ちゃんと母ちゃんよりも仲良しだぞ!」
歩美、光彦、元太はバックヤードに顔を出し、出て行こうとするめぐみと安室に手を振った。
「とーるくんはねー、私のことだーいすきだもんね!いつも苦しくなるくらいちゅーばっかりだもんね!ねー!とーるくん!」
「子供に聞かせない!ほら!自分で歩きなさい!」
「いたーい!」
「じゃあすみません…!僕たちはこれで。」
「は、はい。あの…ほどほどにしてあげてくださいね。」
裏口を出るときに梓さんに最後挨拶をして、安室はめぐみの口を手で塞ぎ、片手で引きずりながらポアロを後にした。
「んー、もごっむが!」
「まったく。変なことをみんなの前で…。車まであと少しだから。暴れるとパンツ見えるぞ。」
「あは、とーるくんがれーくんになった。」
「…。」
酔った状態でもたった一言で自分の変化に気づくめぐみに、降谷は少し嬉しく思いつつ、めぐみを助手席に押し込んだ。
「ちゅーしよーよ。」
運転席に自分も乗り、横でキスをねだるめぐみの頭がガシガシと撫で、降谷は車を発進させた。
「もう少し、人気のないところでな。」
「むぅー。」