第122章 ハッピーハロウィン
次々進もうと、園子ちゃんは携帯の画面を読み上げた。
「次行くわよー!次はー…31ばーん!」
「あ。」
言われた瞬間、横の安室さんが声を上げた。
え、もう?
私まだ二つだけだ。しかも一つは真ん中だからみんな開けてある。
安室さんはにーっこり笑って私にぴらぴらとビンゴカードを見せびらかし、「お先に」と一言言ってから園子ちゃんのところに向かった。
「安室さんが2位でーす!」
「すみません僕なんかがいいんですか?」
「もっちろーん!全員にプレゼントあるわよ!2位への賞品はーー!じゃん!筋膜リリースのマッサージガンです!」
…なにそれ。
「疲れが溜まったり運動した後とかに、彼女に使ってもらってね。」
園子ちゃんは語尾にハートマークを浮かべながら、ウインクで安室さんに箱を渡した。
箱を受け取った安室さんはまた牢屋、つまり私の横のカウンター内に戻ってきた。
「それなーに?」
「ちょっと気になってたやつ貰っちゃったよ。」
「…?」
「筋トレの後とかにこのマッサージガン当てるといいらしい。」
「筋トレ…するの?」
「そりゃ、体張ってる仕事してるからね。園子さんはどれが京極さんの手に渡ってもいいものを選んだみたいだね。」
安室さんの予想通り、3番目の歩美ちゃんには高級ジムの無料券。4番目の蘭ちゃんには、電波式のマッサージ器だった。
すごく困惑した顔でジムの無料券を見つめる歩美ちゃんが少しおかしくて笑いながら彼女を手招きした。
「あとで、みんなにハロウィンのお菓子を持って帰ってもらうから帰る時おいでね。」
「ほんと!?嬉しい!ありがとうめぐみお姉ちゃん!」
ころころと表情を変える歩美ちゃんにカウンター越しに微笑みかけると、安室さんが私の手元を覗き込んできた。
「ほら、めぐみさん。次は7。開くんじゃないのかい?」
私の数字まで覚えてるのか、と驚きながら手元を見ると確かに7があった。
「やっとビンゴだ!」
「はーい、めぐみさん、最後でーす。これちょうどよかった!めぐみさんにピッタリ!」
「え、最後。」
いつの間にか私が最後だったらしい。