第122章 ハッピーハロウィン
「さっきバックヤードからすぐにこっちにこなかったのは何してたんですか!?」
「バックヤードで…?あー、めぐみさんのネクタイ締めてました。」
私はカウンターの中でコクコクと力一杯頷いた。
「えー?それだけですか?このセクシーな足を見て!?」
「はは。確かにセクシーですよね。なので彼女は僕以外見えないようにここに閉じ込めておきます。」
安室さんは平然と言ってのけたため、梓さんは口をぱくぱくとして私の顔と安室さんの顔を交互に見た。
「安室さんっ、変な言い方しないでください!」
「事実です。まったく。そんなに足出して。昨日もなんですから風邪ひきますよ。」
「昨日はっ…!」
安室さんが脱がせたんじゃないかって言いそうになるのをぐっと我慢した。
「昨日も一緒だったんですね…なんか、少し前に二人が別れたって聞いてちょっと心配してたけど、全然平気そうね。」
「今はめぐみさん一筋です。」
「一筋って…え?安室さん浮気したんですか!?」
「あー、浮気…」
私はふわっとローラさんの顔が浮かんだ。
私はたぶん二度と忘れない。
車の中で泣いているローラさんに対して、真剣な顔で覗き込んでいた時の降谷さんの顔を…。
「ちょ、ちょっと待ってください。浮気なんてしてませんよ。」
梓さんに睨みつけられ慌てる安室さんを見て、私はにこにこした。
「浮気は一番ダメです!あとマザコン!」
「僕は浮気もしてませんし、マザコンでもないですよ!」
急に梓さんに怒られる安室さんに、私はニヤニヤが止まらない。
「浮気は悪です!ね!めぐみちゃん!」
「うんうん、本当に!逮捕しちゃおう。」
私は腰のベルトに付いてた、おもちゃの拳銃とおもちゃの手錠を取り出した。
「安室のにいちゃん逮捕されんのか?」
大きなおにぎりを片手に元太くんがやってきてその後に歩美ちゃん達までわらわらと安室さんを囲った。
「光彦くん。これで安室さんを捕まえてくれる?」
私は光彦くんにニセモノの手錠を手渡した。
「わかりました!お任せください!」
「私抑えとくね!」
「あっ、ちょっと!」
下から歩美ちゃんが安室さんの手首を捕まえた。