第12章 おかえり
今日はメールした通りなら、安室さんが朝から入ってるはずだ。
久しぶりだから、安室さん一人で大丈夫だろうか…
いや、あの人なら大丈夫か。
と、思いつつもちょっと心配になってわたしはいつもより早めに家を出た。
安室さんみたいに裏口からこっそり入る。
いつも驚かされてるから、今日は私がビビらせてやる。
ゆっくり扉をあけ、忍足でカウンターに向かった。
今の時間ならきっとアイスコーヒーでも作ってる時間だろう。
やっぱり。
カウンターで、作業をしている安室さん。
今出て行くと視界にはいってしまうから、私は安室さんが背中をいつか向けるだろうとじっとタイミングをはかった。
「そんなに見られては緊張しますよ。」
「…あれ。」
安室さんはくるりとこちらに向いた。
「気付いてたんですね。」
「もちろん。裏口が開いたところから。どうしたんです?こんな早くから。」
「…えと。」
「僕が久しぶりだから心配してくださったんですか?」
「まぁ。そうです。」
「ご心配なく。ちゃんと覚えてますよ。」
キラキラ笑顔の安室さん。
よかった。いつもの安室さんだ。
二人の時になると、安室さんはすこし意地悪だ。
でも、今の安室さんみんなに優しい安室さんのようだった。
「安室さんが復帰してくれてよかった。」
「色々ご迷惑おかけしました。もう大丈夫ですよ。」
「梓さんが嘆いてましたよ。安室さんが来ないと女子高生たちが怖いーーって。」
「ははっ」
淡々と作業を進めながらの安室さん。
私も彼の横に立って、モーニングの下準備を始めた。
「あ、コナンくんが安室さんは?って何度か気にしてましたよ。」
「ほー…あの子が。」
「何か怒らせちゃいました?コナンくんを。」
「…いえ、まさか。先日一緒にテニスに行ったくらい仲良しですよ。彼とは。」
やっぱりコナンくんもテニス行ってたようだった。
…ということは。
「テニス、楽しかったですか?」
恐る恐る質問する。
「いえ、あまりできませんでした。ちょっと事件に巻き込まれてしまって。」
やっぱりね!
ほらね!
「それは残念でしたね。お怪我はありませんでした?」
「それ。そうやってすぐ心配してくれるんですよ。貴女は。」