第122章 ハッピーハロウィン
バックヤードに顔を出したのは、園子ちゃんと蘭ちゃんだった。
「安室さんも警察官じゃーん!なぁーに?お揃いじゃなーい!」
「わ、本当だ。素敵です!」
「ぐ、偶然でっ!」
「いやいや、僕がめぐみさんに合わせたんですよ。ほらいいでしょう?」
そう言って安室さんは私の腰に手を回した。
盛んな女子高生たちはきゃあきゃあと騒いでいる。
「じゃあ、揃ったし始めましょー!」
「はい、荷物置いたらすぐ行きます。」
安室さんが園子ちゃんたちににこやかに言うと、二人はまたお店の方に戻って行った。
「めぐみさんも、行きましょうか。」
「あ、まって、ネクタイ……ま、いっか。」
「ネクタイあるならつけたら?」
「ん…。」
「もしかして、結べない?」
「結ぼうとしたこともない。」
ロッカーに置いた安室さんとほぼ同じ色の紺のネクタイを摘んでみた。
今まで結ぶ機会なんてなかった。
「学生時代は?」
「セーラー服だったもん。」
「へぇ、見てみたかった。ほら、貸してごらん。結んであげる。」
「…ありがと。安室さんは?」
「僕?僕は学ランだよ。」
「見てみたかった。」
「今度着る?」
「…いや。大丈夫です。」
「残念。」
くすくすと笑いながら安室さんは私の首にネクタイをかけた。
どうやるんだろうと自分の胸元をじっとみていたら、「上向いてて。」と、怒られた。
きゅっとキツくなったと思ったら、安室さんはチラリと視線を私の奥…つまりみんなのいるお店の方に向けた。
「…?」
ぐっと、ロッカーの方に押し付けられ、上を向かされるとすばやく舌をねじ込んできた。
「…っ!?」
後頭部を掴まれ、もう片方の手はスカートの裾の辺りを撫でている。
「…っふ…ん……」
「ん。満足。行こうか。」
にっこり笑って離れていく安室さんを私は睨みつけた。
「もうっ。見られたらどうするの。」
「大丈夫。そんなヘマしない。その足見てたらついね。」
好き勝手していく安室さんをどうにかしてやりたくて、皆の所に向かおうとする安室さんのネクタイをぐっと引っ張って、ほっぺにキスをした。
「…。」
頬に手をやり驚いた顔して私を見下ろす安室さんに向かって、
「その制服見てたらついね。」
と、言ってやった。