第119章 のんびりと
私たちは約束通り仕事終わりにご飯に行くとこになった。
安室さんが忙しくて、パパッと簡単に済ませることはあったけど、こうやってどこかレストランに行くのは久しぶりだ。
「どこ行こうか。」
「安室さんは何食べたい?」
「めぐみ。」
「安室さんは何食べたい?」
「…。スルースキルが磨かれていく。うーん、鍋とかどう?ちょっと涼しくなってきたし。」
「うん、いいね。」
車に二人で乗り込んで、エンジンをかける。
いつものように安室さんは携帯を一度取り出した。
「……すまない。ちょっと寄り道していいか?」
「もちろん。」
スマホのメールを見て何かあったのだろう。
すこーしだけ険しい顔になったあと、車を発進させた。
「いつも悪いな。」
「ん?なにが?」
「いや、真っ直ぐ食事にもいけない。」
「ううん、むしろポアロ終わったばかりなのにお疲れ様。どこ向かってるの?」
「この先のホテルの駐車場だ。少し人と会ってくる。車で待っててもらえるか。」
「はーい。」
助手席で通り過ぎていく夜景を眺めた。
どこかのホテルの地下へと入って行き、端の方に停めると降谷さんはどこかにメールをしていた。
「じゃあ、ちょっと行ってくる。」
一瞬私の頬を指先で撫で、降谷さんは車から出て行った。
ぐぅぅ。
何度めかのお腹が鳴る。
今が真夏じゃなくて良かった。
真夏だと暑くて車じゃ過ごせなかった。
ぼーっとスマホを見ていたけど、充電が20%を切ったところで見るのを辞めた。
降谷さんから連絡が来るかもしれない。
「何かあったのかな。」
そろそろ2時間が経とうとしていた。
まだかなーって気持ちから、心配するほうが強くなってきた。
やることもなくて瞬きの数を数えながら時間を潰していたら、コンコンっと窓をノックされた。
「ひゃっ!!」
ぼーっとしてた分あまりにもびっくりして大声を出してしまった。
立っていたのは風見さんだった。