第119章 のんびりと
しばらくのんびりとくつろいだ後、キャメルさんはお礼を言ってお店を後にした。
「めぐみさんもあぁ言ってますし、僕がいてもいなくてもポアロに来てもいいですよ。赤井はダメですが。」
と、訳のわからんことを安室さんが最後にキャメルさんに向かって言ったので足の甲を踏んづけた。
ちょっと困ったような、そんな顔をしてキャメルさんは会釈をしていた。
「さて、邪魔者もいなくなったし、どうしようか。」
「どうもしません。仕事します。もうすぐハロウィンも近くなってきたし、メニューのデザインを考えてきます。」
私の肩にある安室さんの手をそっと避け、私はバックヤード籠ることにした。
「夏祭りは浴衣だったし、ハロウィンもお店で何かするのか?」
安室さんはキャメルさんがいなくなった途端、話し方もコロリと変え、私の横に立った。
「さぁ…?今のところマスターからは何も聞いてないよ。」
「コスプレ?めぐみのコスプレ?」
「去年とはメニューをカボチャにしてたけど、コスプレとかはしてないみたいだよ。」
嬉しそうな表情から、あからさまに『つまらない』と言いたげな表情だ。
あの時『好きだ』と言われてから、安室さんはストレートに気持ちや表情を私にぶつけてくれるようになった気がする。
子供っぽかったり、怒ったり、弾けるような笑顔を見せてくれたり。嬉しい反面少し照れくさい。
「是非ともハロウィン当日は浴衣の時みたいに、コスプレでしたいな。」
「えー、接客しづらくない?」
「しやすい格好を選べばいい。例えばーー…」
考え出した安室さん。
「…例えば?」
「……。」
じっと見つめてくる安室さん。
「…ん?接客しやすいコスプレ、何かある?」
「いや…、めぐみ見ながら想像してたら…ヤバいな。」
ーー…何が。
安室さんは手を口元に持っていき、私をジロジロと見つめている。
「…猫娘、メイド服、ナース服……雪女、は浴衣と変わらないか、うーん。」
「着ないよ?」
「は?…赤ずきんで僕が狼というのも…」
「いや、だから着ないって。」
「僕のコスプレ見たくないのか?」
ーー…それは見たい。
「ほら。」
「何がほらなの?」
「僕も同じように君のコスプレが見たい。」
「…もうっ!いいから仕事戻って!」