第119章 のんびりと
「わかったよ、僕の負け。」
「ふふ、安室さんが作ったカップケーキ美味しいって食べてくれたよ。」
「当たり前だよ。だれが作ったと思ってるんだ。」
ぐっと、手を引かれバックヤードに連れ込まれるとキャメルさんから見えない場所で頬にキスをしてきた。
「こらっ!仕事中!」
「聞こえちゃうよ?」
「…くっ!」
「めぐみさんは鈍感だからね。自分の魅力にもっと気付いた方がいい。」
「…魅力。」
「安室透の恋人はめぐみさんなんだから、もっと恋人らしく振る舞ってもらわないと困るよ?」
…そんなこと言われても!
「と、とりあえず離れて!」
「はいはい。最後にキスだけ。」
「んっ!」
だめ!って言おうとしたけど、全然そんなこと言わせて貰える隙もなく、顎をさらわれちゅっとキスをして行った。
「ご馳走様。よし、じゃあ午後もお仕事頑張ろうか。」
「…もぅ!」
安室さんは嬉しそうな笑顔を浮かべ、お店の方に戻って行った。
まったくキャメルさんに聞こえないからってそんなーー…待って。
『キャメルは地獄耳なんだ、俺よりもな。』
蘇る赤井さんのセリフ。
まさかと思って、そっとバックヤードから顔を出すと、赤い顔をしながら、何度も瞬きをして安室さんをチラチラと見ていた。
…絶対聞かれた!!!