第119章 のんびりと
「デ、デートしましょ!ね?」
ピクリと安室さんの肩が揺れた。
「デートね。」
「そうそう!」
「梓さん曰く、僕と歩くと炎上案件だけど?」
「…うっ。」
「デートですか。やっぱりお二人はそう言う間柄なんですね。」
「そうですよ、FBI。」
キャメルさんがそう言うと、安室さんは私の腰に手を回し引き寄せた。
「ちょっ!」
「なので、あの赤井も貴方も邪魔しないでください。」
「じ、自分は別に!!」
顔を真っ赤にして、両手を振るキャメルさん。
たしかに今までそんな感じはしなかった。
私は腰に回った安室さんの腕をペシペシと叩いた。
「そうですよ!安室さん!キャメルさんに失礼ですよ!純粋にポアロのコーヒーが好きで通ってきてくださってるのに!」
「…。」
「…ふ。残念だなFBI。」
黙り込むキャメルさんをカウンターから見下ろすように笑う安室さん。
「いえ、自分は本当にここのアメリカンとサンドイッチが好きで…」
「ほら、ね?安室さん。」
「くくっ、それじゃあごゆっくりしていけばいいですよ。FBI。」
「そのいちいちFBI FBIっていうのやめません?ごめんなさい、キャメルさん。」
「いえ…。」
キャメルさんは残りのフルーツを再び口に放り込んだ。
「んもう、安室さん。態度悪すぎますよ。」
「別に普通だよ。」
キャメルさんから離れて、バックヤードの付近で安室さんに言った。
「今はFBIでも、公安でもないんだからさ。それにFBIの人達もわざわざ捜査のために来てくれてるんでしょ?」
「自分達の手柄のためにこっちのテリトリーを荒らしてるだけだ。」
「…。」
「さっさと僕の日本から出ていけばいい。」
「僕の日本て…。」
拗ねたように言う安室さんが急に可愛く見えてきた。
「どっちの手柄でも、わたしたちを守ってくれてるのは変わらないよ。」
「…。」
「安室さんが日本のために頑張ってるのはわかってるから。FBIの人達もさ、日本で捜査してるのはその悪い人たちが本国で何かしないようにって同じように頑張ってるんだよ、きっと。」
「…わかってるよ。」
「だから、休憩中くらいお互いそんな歪み合わないで、のんびりしよ?」
安室さんの指先に手を伸ばし、きゅっと握った。