第119章 のんびりと
「美味しいです!紅茶ですよね?いい香りが口の中に広がって、この甘すぎない生クリームとマッチしていて、フルーツの酸味がまたいいっ!」
「ふふ、よかったです。」
「こんな美味しいお菓子が作れるなんて…めぐみさんは素敵な女性ですね。」
顔を赤らめながら言うキャメルさんに、私は目をパチクリとさせてしまった。
「いやいや、これは私が作ったんじゃないんです。」
「え?試作品ですよね?」
「はい。私は作ってもらうもの、もうなんでも美味しい美味しいって言っちゃうから参考にならなくて…」
「作ってもらったんですか?」
「はい、安室さんに。」
「…!?あの…男に。」
「ほら。」
と、盛り付け方のコツとかが書かれたメモと、完成品のサンプルを撮った画面をキャメルさんには見せた。
「…。」
「これを見て盛り付けただけです。私は。カップケーキは安室さん作です。いかがですか?」
「…お、美味しいです。悔しいくらいに。」
カップケーキを見つめ、搾り出すやようにキャメルさんが言った。
「それはよかったです。とっても参考になりました。なので食べたらさっさと出て行って…」
「安室さんっ!」
バックヤードからまたひょっこりと出てきた安室さんは、キャメルさんに向かってそんなことを言うのでぐっと腕を引っ張って引き寄せた。
「…なんだい。」
「今キャメルさんは休憩中なの!せっかくきてくれた人にそんなこと言わないっ!今は二人とも仕事中じゃないんだから、ポアロにいる時くらいゆっくりしましょ。」
「…む。僕は仕事中なんだけど。」
「そっちの仕事じゃなーい。キャメルさん、気にせずゆっくりしてくださいね。」
「…は、はい。」
そんなこと言われても、横で睨まれてちゃゆっくりできないよね。
まったく。何がそんなに気に食わないのか。
ーー…安室さんの機嫌を良くする方法?
「あ、じゃあ、安室さん。」
「ん?」
「今日仕事終わったらご飯行きません?久しぶりに!」
「外で?」
「うん。いつもお家だからたまには。」
「僕の料理は飽きましたか?」
「ま、まさか!」
今は何を言ってもひねくれてる!