第119章 のんびりと
「だいたい、貴方何でここに…」
「ほら、安室さん。全部食べました?」
キャメルさんに何かを言おうとしたのを遮って、安室さんの手のお皿を受け取った。
「…えぇ。」
「じゃあ、コーヒー入れますから。アイス?ホット?」
「…アイスで。」
「休憩時間はまだ残ってるんですから休んでてください。ほらほら。」
安室さんの背中を押してバックヤードに追いやった。
「すみません、キャメルさん。気にせずゆっくりしてくださいね。」
安室さんのアイスコーヒーをグラスに注いでいく。
「あの男、いたんですね。」
「裏で休憩中です。そういえば甘いものお好きって!試作があるんですけどよかったら召し上がってもらえませんか?男性の感想も聞きたくて。」
「自分でよければ喜んで。」
「じゃあ、ちょっと待っててくださいね。」
キャメルさんにはそう言って、バックヤードでむすっとソファに座る安室さんにアイスコーヒーを持っていくと、手首をぐっと掴まれた。
「どう言うつもりなのかな?」
「何が?」
「FBIに媚び売って。」
「はぁー…。」
「た、ため息っ!?」
「いいから、のんびり休んでて。あと15分は休憩時間ですよ。」
安室さんの手を払って、私はまだ何かぶつくさ言う安室さんを置いて、お店に戻った。
冷蔵庫からカップケーキを出して、お皿に盛り付けフルーツや生クリーム、粉砂糖で飾り付けをしていく。
「よしっ。」
「すごい、可愛いですね。」
「私は見様見真似です。以前に携帯で写真撮ったのでそれを見ながらです。」
私はカウンターに自分の携帯を置いてその画面を見て盛り付けた。
「それでも美味しそうです。」
「ふふ、ありがとうございます。どうぞ。」
カウンター越しにお皿をキャメルさんの前に置いた。
「美味しそうだ。いただきます。」
「アメリカンのおかわりも…あ、他のお飲み物にしますか?」
「いや、アメリカンで。…でも何でそこまで。」
「以前のお礼です。」
あと、安室さんの態度のお詫びも…と、心の中で言っておく。
紅茶のカップケーキを一口食べて破顔するキャメルさん。