第118章 右腕
「ローラ。」
降谷さんはくるりと後ろを振り向いた。
「…はい。」
「彼女にこれからは服の購入を頼むことになったから。少し君の負担が減ると思う。」
「…はい。」
降谷さんがローラさんの方を向いていたので、私は降谷さんの背中から顔を出してローラさんに向かって、べーっと舌を出してやった。
「わ…っかりました!では、領収書は必ずきってくださいね!」
私の顔を見たローラさんはイライラとした声色でそう言った。
「はーい!予算とか絶対買っちゃダメなものとかあったら教えてくださいね?ローラさん?」
「…っふん!」
私は内心、高笑いしてやった。
「じゃあ、私はそろそろ、風見さんお大事に。」
「はい。めぐみさんも帰りお気をつけて。」
手を振って病室を出たら、降谷さんも私の後ろについてきた。
「下まで送ろう。」
「道覚えてるよ、平気。ありがとう。お仕事頑張ってね、零さん。」
「…何で名前なんだ急に。」
「…牽制?」
今までローラさんが私にしてきたことを知らない降谷さんからしたら、私が意地悪に見えただろうか。
まぁ、やり返す私も私だけど。
「降谷さんは私のだもん。」
「…お前な。」
「お仕事頑張って。」
そう言って、少し背伸びして降谷さんの口に軽くキスをした。