第118章 右腕
にこにこと笑ってローラさんを見上げ、ヒールを履いた背の高いローラさんは気に食わないとでも言うかのように私を見下ろした。
「なんだか仲良くなれそうな気がしません?私たち。」
「しない。近寄らないでくれる?」
なんだか、ローラさんが赤井さんを目の前にした降谷さんに見えてきて、可愛く感じられた。
でも、まぁ、彼女が私にした嫌味の数々を忘れたわけではないので、少しずつ返していこうかなって思う。
あれ、性格悪いかな。私。
そんな事を考えながら私は缶コーヒー二つとミルクティーを買って、彼女をチラッとみた。
「何飲みますか?」
「貴方の施しは受けません。」
「ほどこしって…ほんと、ツンデレですね。」
「私がいつ貴方にデレましたか!?」
「はいはい。降谷さんそろそろお話終わるかなー。」
飲み物を三つ抱え、少しだけ風間さんの病室に近づいていたら降谷さんがひょっこりと顔を出した。
「終わったぞ。なんだ、ローラもいたのか。」
「はい。お疲れ様です、降谷さん。風見さんの荷物をお持ちしました。」
私とローラさんに交互に視線を向け、少し心配そうな表情の降谷さん。
「はい、“零さん”のコーヒー。」
「んっ!?ん…ありがとう。」
「風見さんもコーヒーこんなのですみません。」
そう言って、風見さんにも缶コーヒーを渡した。
降谷さんの後ろのローラさんをじっと私を睨みつけている。
そんな顔して睨みつけてもいいけど、風見さんからは丸見えだぞ。
「お気遣いありがとうございます。」
「いえ、じゃあ風見さんが無事なところ見れたので私は行きますね。」
「送ろう。」
「ううん、零さんはまだお仕事でしょ?大丈夫だよ。…えっと、帰りに零さんが着る服買おうかと思って…いい?」
降谷さんの袖をきゅっと握りにそう言うと、降谷さんは頷いた。
「そうか。じゃあ頼むよ。サイズは平気か?」
「うん、見たことあるから平気。好みや必要なものあったら教えてね?」
「わかった。好みはめぐみの好きになように買っていいよ。」
そう言われたので私は笑顔で頷いた。