第2章 私の仕事
その後、無事お店も開店したので、私も下がって事務仕事に専念した。
経費入力したり、在庫管理したり、意外と毎日忙しくさせてもらっている。
カタカタとタイピング音が響く私のテリトリーに、急にきたのは、イケメンの声。
「夏目さん。」
「はいはい、どうされました?」
「お昼にマスターがこれを。」
安室さんの両手にはサンドイッチが2皿。
もうそんな時間になっていたのかーと、私は両手を伸ばしてリラックスした。
「ご一緒していいですか?」
「もちろんですよ。」
「夏目さんは長いんですか?」
二人でバックヤードで食べていると、安室さんから切り出した。
うむ、正直に話していいのか…
私は子供の頃にみた作品の知識しかないし、この人がただのモブキャラなのかどうかもわかんない。
これだけのイケメンがこんな主役の近くにくるか?ってのも正直なところ。
「そーですね。梓さんより後に来ましたよ。接客苦手だけど、経理とかそーいうの得意なので、全部私がやってます。安室さんはどーして、喫茶店に?副業…ですよね?」
29歳でフルタイムでもないバイトなんてきっとそうだろうと、私のことから話をそらした。
「はい。探偵をしていまして、先日毛利先生に感銘を受け弟子入りしました。それで、少しでも近くに…と思ってここでバイトを。毛利先生には?」
「ご挨拶程度ですけどね。すごい方ですよねー、あんな有名な方が近くにいると緊張しちゃう。」
たしかに。と、笑いながらハムサンドを平らげていく安室さん。
なんで、こんなイケメン三十路がバイトを?と思ったけど、探偵で毛利さんに弟子入りかーー。ん?ってことは、私の知らない重要キャラ?ってこと!?
結構物語進んでんだろうけど…
まさか、組織の人…?
いや、ない。
私の記憶では、ジン、ウォッカ、ベルモット、あと目に蝶々の刺青ある人、あとメガネと、帽子被った目つき悪い人。
どー考えても全員悪人ヅラ。
映画のポスターくらいでしか見てないけど。
でも、目の前のイケメンはどうだ。
ニコニコサンドイッチ食べて、どう見ても人畜無害。イケメンだし。なんかキラキラしてむしろ光り輝いてる。
こんだけイケメンだし、平次やキッドみたいにイケメン人気枠のサブキャラだな。
まぁ、のらりとかわして、真面目優等生キャラをとっておけばいいよね。うん。
