第2章 私の仕事
「おはようございます。」
鍵を持っているのはわたしとマスターだけ。
わたしは少し早めにきて、店の外を掃き掃除していた。
7:00、10分前に来て挨拶してくれたのは、安室さん。
「おはようございます、安室さん。もう直ぐマスターがいらっしゃると思うので、エプロンきて、中で待っててください」
「何か手伝いますか?」
「安室さんは7:00からなので大丈夫ですよ。」
「わかりました。」
朝から爽やかだなー、なんて思いながら掃き掃除を終え、中に入ると安室さんもちょうど客席に来たところだった。
何をしましょう?という表情の安室さん。
時計を見るとちょうど7時なのだが、マスターはまだ来てない…
「7:30にはお店開けるので、まだマスターいらっしゃってないですけど、準備しちゃいましょう。安室さんは、客席の椅子を下ろしてもらえますか?そのあとテーブル拭いてください。」
「わかりました。」
わたしはその間に水回りの準備をしておこう。
マスター、珍しく寝坊かな…?って思ってたら、慌てた様子のマスターが走ってやってきた。
「いやー!すまなかった!安室くんの初日ってこと忘れてたよ!」
2分程しか遅刻してないけど、マスターは安室さんの前で手を合わせて謝っていた。
「夏目さん!ありがとう!早めに来てくれてたんだね、助かったよ!」
マスターはそう言うと、急いで奥へと引っ込んでいった。
「安室さんは、テーブル拭き終わったら今日はマスターと一緒にモーニングセットの作り方を覚えて下さいね。8時にはもう一人のバイトの梓さんって方が来てくれるので。」
「はい、わかりました。夏目さん…早目に来てくださったんですね」
「え?えぇ…まぁ。」
急にそんなこと言われるとは思いもしなかったから、返事があいまいになってしまった。
「僕が初日だからですよね?すみません。」
申し訳なさそうにする、安室さんを見て私は慌てて首を振った。
何も悪いことなんでしてないのに、なんで謝るの?
「昨日帰るときに、店前の落ち葉が気になっただけです。」
なんて、言ってみたけど、安室さんはありがとうございます。ってお礼を言ってくれた。