第117章 家にて
「泊まる準備してきた?」
「…着替えとメイクだけ。」
「シャワー浴びる時間が惜しい。」
…やっぱりそうだよね?
そういう流れになるよね。
降谷さんはジャケットを脱ぎ、放り投げると私の手をグッと強くひきよせた。ベッドに腰掛ける降谷さんの膝の上に座り、彼を見上げた。
「抱くよ?」
「…っ。」
「それも激しく。」
「…い、言わないでよ!いや、激しくは…だめ…。」
「なんで?久しぶりなんだ。」
「…久しぶりだから優しくしてほし…いです。」
「無理だろ。」
ちゅっと、頬にキスを落とし、ベッドに放り投げるように押し倒した。
「わかった。優しく…は努力する。……いや、やっぱり無理だ。」
「もう少し頑張ろうとして!」
「めぐみ。」
上から見下ろされ、頭、頬、首と撫でていく。
「好きだよ。すごく。」
恥ずかしくなって、私は降谷さんの目を見てられなくなった。
「か、勘弁してください。」
右腕で顔を隠し、左手で降谷さんの胸をぐっと押し返したが、もちろんびくともしない。
にこにこと微笑みずっと見下ろしてくる。
ネクタイもホルスターもそのままで、かっこよすぎて見てられない。
「ねぇ、こっち見て。」
「…無理。」
「本当に僕のホルスター好きだな。」
バッ!バレてる!!
「だって…カッコいい…」
「知ってる。めぐみがそう思ってるって。だから今外さずこうしてる。」
くくっと笑う降谷さん。
脇の下銃だけ取り出すと、テーブルに静かに置いた。
「触るなよ?」
「分かってます!」
前に銃に触ろうとして(ふりだけど)手首を拘束されて痛い思いをした。
「堪能する?」
ベッドに座ってこちらをにやにやと笑う降谷さんに、私は要らない!って言おうと思ったけれど、こ、こんな機会もう来ないかもしれない…。
「じゃあ、ちょっとだけ…」
「するんだな。」
降谷さんの胸に飛び込んで、背中にあるホルスターの紐に触れてみた。