第117章 家にて
『今から迎えに行く』
とメッセージを受け取り、ドキドキしながら私は荷物を持って裏口に向かおうとしたら、もう1通。
『泊まれる準備しておいで。』
…!
なんだろうこの気持ち!
私に選択肢はないのか!という、気持ちもあれば、ちょっと期待しちゃってる気持ちと、いやそんなすぐやる?って気持ち。
ただ、夜遅くなるから寝るだけかもしれないし…。
いつも彼に振り回されてばかりだ。
お化粧を整えて、私は裏口で待っていると、低いエンジン音が聞こえて来た。
私の前で止まったので、私は助手席に乗り込んだ。
「お待たせ。遅くなって悪い。」
「ううん、風見さんは?」
「骨折はしていたが、命に別状はない。風見のおかげで捕まえることも出来たし、取引を阻止できた。まだ取引先のことを調べられてないがな。」
「よかった。風見さんが無事で。」
ホッとして、横で運転する降谷さんに視線を向けた。
今日、昼間乗ったときはこうやってじっと見つめることなんてできなかったから…。
降谷さんは着替えたのかスーツ姿に戻っていた。
いつもの駐車場に停めると、私たちは安室さんの家に入った。
ーー…久しぶりの家。久しぶりの匂い。
安室さんの家だ。
降谷さんはコーヒーを準備するのか、お湯を沸かし始めた。
「夜遅いからコーヒーじゃない方がいい?」
「ううん、平気。安室さんのコーヒー好きだよ。」
喫茶店で鍛えられた安室さんのコーヒーは本当に絶品だと思う。
降谷さんはコーヒーを淹れ終わると、ダイニングの机ではなく、ベッド横のローテーブルに持っていった。
私も彼に着いていって、一緒にローテーブル前に座った。