第117章 家にて
降谷さんは私の頬を撫でて、優しく笑った。
「…仲直りしたの?」
「一瞬でも手放そうとした僕が今は信じられないよ。」
「いや…あの…」
「よかったね!めぐみさん!」
「えっ!?いや…」
コナンくんの前で、何を言ってるんだこの人は!
「めぐみ、早めに終わらせてくるから。もう一度聞いてほしい。」
「なっ!あの!!」
コナンくんまで顔を赤らめ下から私を見ている。
「なんだ、ダメなのか?」
「そ、そうじゃなくて!わ、わかった!聞く!聞くから!」
至近距離で頬を撫でるのをやめてほしい!
「…家で…待ってます。」
俯いてポツリと言うと、降谷さんは満足そうに少しだけ微笑んだ。
「いこ!コナンくん!」
降谷さんのヘルメットを奪い取り、コナンくんにかぶせると私の後ろに乗せ、降谷さんに会釈すると、私たちもその場を後にした。
「ねぇ、いつのまにか仲直りしたの?」
「えぇ!?聞く!?」
「だってそんな話するタイミングあった?」
「ないよ!普通はね!…バイク乗ってたら後ろで急にやっぱりそばにいてくれ…って。」
「僕たちも通話してたのに…わざわざミュートにしたの?」
「そうみたいだね。」
「ふーん。よかったね。」
「…ありがとう。」
「じゃあさ、めぐみさんの薬のことどうする?」
「…それは調べたい。私が急に元の世界に帰っちゃう可能性はまだあるし。」
「うん。」
「急に消えないんだよって本当にわかった時初めて、私も降谷さんに気持ちを伝えたい。」
「そこは変わらないんだね。」
「うん。せっかく手がかりを掴んだんだもん。」
「わかった。じゃあ、このまま調べるよ。薬を灰原に調べてもらう。博士の家にお願い。」
「りょーかい。ありがとう!」
降谷さんとの仲が戻ったとしても、私が急に消えるのか薬を飲んで帰ることになるのかまだ分からないことがある。
降谷さんにはそばにいてほしいって言われたんだ。
なら、消えたりしない。ちゃんとそばにいられるんだと、胸を張って言えるようにならないと。
その時はじめて、私も彼にこの気持ちを伝えたい。