第115章 公安と人
「俺はこの録音データに何か場所の手がかりになるような音が入っていないかパソコンに取り込んで聞いてみよう。」
「ありがとうございます。」
そう言って私は携帯を沖矢さんに手渡した。
「降谷さんも何か聞こえたって言ってました。…何かは教えてはくれなかったけど。」
「…捜査内容はそうそう言わんさ。じゃあ、これ借りるぞ。」
私の携帯を持ち、沖矢さんは自分の部屋に向かった。
「ねぇ、めぐみさん。」
「ん?」
「製薬会社の横領って言ってたんだよね。それだけ?横領だけで公安が動くとは思えない。どこの製薬会社かもわからないと…」
私はポケットの中に手を突っ込んで、白いボタンのようなモノを取り出した。
「…まさかっ!めぐみさん!」
「ふふふふふ。」
「危険だよ!だって…相手はあの安室さんだよ!?」
「でも、くれたのはコナンくんでしょう?」
「それは…そうだけど。どこにつけてきたの…?」
「降谷さんの机の横。」
「ちかっ!」
「お陰でタクシーに乗る前に有益な情報を手に入れた。」
先日、何かあった時のために、博士が作った盗聴器を数個貰っていたのだ。
…本来は、薬を作ってる組織らしき怪しい人とかがいたら、つけようって貰っていたものだ。
まさかこんなに早くしかも公安相手に盗聴器を使用するとは思わなかったけれど。
電波がそんなに遠くに届かないから、警視庁前でタクシーを待つふりをしている間、少しだけ降谷さんとローラさんの会話を聞くことができた。
「小塚製薬。」
「…こづか?」
「降谷さんはそう言ってた。FBIもその製薬会社の近くをウロつく国際指名手配されてる男の捜査してるみたい。」
「FBIが?じゃあ、赤井さんに聞いたらもっと詳しくわかるかも!」
「…横領だけじゃない。何かをしてるんだよ、その小塚製薬は。」
「…めぐみさんが飲んだと言う薬?」
「ただの可能性だけど。」
「うん。ゼロじゃない。」
「降谷さんが風見さんは命をかけて『あるもの』を隠したんだろうって言ってたの。」
「だろうね。それを僕たち先に見つけよう。」
「そのためには、風見さんが捕まってる場所の特定をしなきゃ。」
私が言うと、コナンくんは強く頷いた。