第115章 公安と人
降谷さんの後ろを再び歩く。
静かな廊下…
「風見さん…無事だといいですね。」
何か話さないとと思って、そういうと安室さんは小さく返事をした。
「…風見よりも、風見の残したモノの方を優先してしなくてはいけない。」
「…?」
「警察関係者だとバレてないと言うことは、手帳どころか手錠や拳銃、全てをどこかに隠したと言うことだ。」
「…そうなんだ。」
「そうしなくてはいけなかった。捕まって奪われては困る何かを風見が持っていた…。それを回収するのが1番の目的だ。」
「…風見さんよりも。」
「あぁ。公安として風見が命をかけて隠した何かを必ず回収する。」
人命ではなく事件の解決ーー…。
わかってはいても…。
悲しくて俯いて歩いていたら、こちらを向いて立ち止まった降谷さんに気付かずぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさいっ、ぼーっと歩いてて。」
「いや。何か飲むか?」
自動販売機の前で立ち止まったようだった。
思いっきりおでこからぶつかってしまって、離れようとしたが、くいっと髪の毛が引っ張られた。
「いたっ」
「動くな。引っかかったみたいだ。」
髪の毛が降谷さんのシャツのボタンに引っかかったようだった。
慌てて走ったせいもあって、私の髪の毛がボサボサだったせいだ…
ーー…恥ずかしい。
上から見られてる気がして、私は慌ててもつれた髪の毛を取ろうと急いだ。
指先が震えてうまくできない。
ーー…だってこんなにも降谷さんが…近いんだもの。
すぐ近くで降谷さんの吐息まで聞こえそうな距離だ。
どうしよう、降谷さんも急いでるのに。
もう切り取ってしまいたい。
「…ごめんなさい…!すぐ…!」