第114章 風見裕也の災難
しかし…なぜあの二人が。
ーーだめだ。降谷さんには彼女が必要だ。
「そもそも、降谷さんに一般人であるあのような女性が一緒にいること自体あり得ないと思います。自宅にまで連れて行って…機密事項など漏れては大変です。」
「…。」
「なので、“安室透”の家に新しい着替えなど必要なものを持って行った際、不要なものは片付けておきました。一応、降谷さんにも許可をとった所、ほとんどが降谷さんが購入したもののようなので、こちらで処分しました。」
…だから、先日降谷さんに聞かれたのか。
いい仕事をしたとでも言いたげな、表情のローラに自分は何も言えなかった。
彼女は公安としての仕事をしただけだ。
ただ…あの二人は…あれでよかったのに。と、自分は思っている。
上司である、公安警察降谷零はここにいる時だけでいい。
ただの降谷零でいられる場所は…今どこにあると言うのか。
先日の降谷さんは怒っていたのではないのだろう。
今はだいぶ丸くなったと言うが、降谷さんの同僚が亡くなったあとの数年間、鬼のように荒れていたと聞いたことがある。
ーー…もしかしたら今。
「彼女がいなくても私たちで降谷さんをサポートしましょう、風見さん。その方がきっと降谷さんも仕事ができるはずです。」
背筋をピンっと伸ばし、意気込むローラ。
ーー…いや、彼女の、めぐみさんの代わりなど誰にもできやしない。